カナダ/イギリス 1999
監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ



ビデオドロームで取り組んだ、仮想現実がリアルを侵食するネタをもう一度、時代の推移に沿ってゲームの世界で展開して見せた一作。

生理的嫌悪感をもよおす内臓感覚な肉々しさはこれでもかと炸裂。

ゲームのコントローラーとおぼしき物体なんてどうみても網にのせられる前のホルモンだし、コードなんて臍帯にしか見えません。

それを脊髄にあけた穴につないでプレイする、という発想がもうクローネンバーグの独壇場。

奇形トカゲの踊り食いはやらかすわ、抜けた歯を実弾とする骨の拳銃は登場するわで、初期のファンはたまらないものがあるかもしれません。

ただですね、私がひっかかったのはストーリーの整合性。

なんだかもう裸のランチばりに前後の脈絡なくお話が飛びまくるんですね。

それこそ初期のアドベンチャーゲーム並みに連続性がないんです。

結局何故そうなったのか、は最後に明かされるんですが、そこでああなるほど、と納得したか、というとそういうわけでもなくて。

ちょっとオチが安っぽくないか、と。

これはこれで問題ない、と言う人も大勢居るんでしょうが、私はこれ、反則気味、と思っちゃいましたね。

だってなんでもあり、になってしまいますし。

あえてオチをつけずに、不可解なまま最後まで突っ走って欲しかった、とも思います。

仮想現実を仮想現実として処理するのではなく、仮想現実に侵された混沌たる現実の行く末をさらにひとつ上のステージで見せつけて欲しかった。

それができる監督だと思うんですけどね。

原点回顧的作品ですが、狂気漂う薄気味悪さではビデオドロームに軍配があがるか、と。

とはいえファンなら充分楽しめるらしさはたっぷりですけどね。





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