スペイン 2001
監督 ギレルモ・デル・トロ
脚本 ギレルモ・デル・トロ、アントニオ・トラショラス、ダビ・ムニョス



内戦下のスペインを舞台に、孤児院に預けられた少年と、幽霊の奇妙な巡りあわせを描いた作品。

幽霊の存在が物語で重要なポジションにあることは確かなんですが、作品の肌合いはどちらかというとホラーというよりサスペンス、もしくはスリラー的。

描かれているのは、悲運な境遇にある少年達が、誰の助けも借りられない状態で、いかにして理不尽な暴力から身を守るのか、といった結束と戦いのドラマだったりします。

私がうまいな、と思ったのは、過剰に超常現象を演出しすぎていないこと。

すべては主人公カルロスの錯覚である、とも取れるように作られてるんですね。

しいてはそれが、戦時下における1少年の無力さをより際立たせる効果も担っているように思います。

愛憎入り混じる大人たちの人間関係の描写も巧み。

校長先生の終盤のけなげさ、懸命さには胸うたれるものがあった。 

最後にもうひと盛り上がりあっても良かったのでは、というのと、ラストシーンの暗示するカルロスの行く末が何の解決も示唆していないようで不穏、というのはあったんですが、名作クロノスを作り上げたデルトロらしい力のある一作だと私は思いましたね。

派手さはありませんが、頭から血を漂わせ続ける幽霊の画の凄みといいい、見どころはたくさんあるように思います。

私は好きですね。





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