1977年初版 小池一夫/神江里見
秋田漫画文庫 全4巻



跡継ぎに恵まれぬ将軍家綱の命により、御仏の子宮をもつ女を捜す諸国行脚へと身をやつした伊賀者番頭、堤半次郎の苦難の日々を描いた時代劇。

しかしまあなんとも凄いアイデイアだなあ、と感心しました。

ほんとこういうプロットって小池一夫ならではだと思います。

将軍直々のご下命ゆえ、ばかげた任務と納得の上で見知らぬ女の股ぐらを覗きこまねばならない半次郎の悲哀はまさに封建主義社会を描いた時代劇の真骨頂。

見つからぬことは承知のうえで野で果てる覚悟ながら、任務は決しておろそかにしない伊賀忍者の生き様は、悲運ゆえ胸をうちます。

このまま御仏の子宮を探す旅を何らかの形でしめくくってくれれば思わぬ傑作になったのでは、と思うのですが、残念だったのは、途中で何故か家綱が急逝して将軍が代替わりし、ストーリーに若干の修正がほどこされてしまったこと。

3巻ぐらいから意地悪な5代将軍綱吉と無理難題をなんとか工夫と知恵で乗り切っていく半次郎の主従の物語になっちゃうんですね。

もはや下苅りも御仏の子宮も関係なし。

作者初期の忍者もの「鬼輪番」みたいな展開に。

結局下苅りネタだけでは続かなかった、という事なんでしょうかね。

当時は映画化もされた人気作だったようですが、本編は途中で打ち切られたかのように未完。

なんとも評価が難しいです。

最初はインパクトがあったんですが、なんとなくしぼんでしまった、ってのが正直なところでしょうか。



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