フランス/カナダ 2012
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
原作 ドン・デリーロ



アメリカを代表する文豪ドン・デリーロの小説を映画化。

いやー油断してたらやってくれましたクローネンバーグ。

もうすっかりエンターティメントに徹しきってるのかな、と思いきや、この期に及んでこんなわけのわからない作品を持ってくるとは。

とりあえずこの作品のキャッチコピーやあらすじを鵜呑みにしてはいけません。

「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」みたいなものかな、と思って見たら間違いなく痛い目にあう。

どっちかというと「裸のランチ」に近い。

まあ、あれほど自由奔放な発想や前衛でグロな描写があるわけではないですけど。

とにかくですね、主人公とその周りにいるサブキャラの会話がですね、やたら観念的で噛み合ってなくてさっぱり意味がわからないんです。

ですんで物語がどういう方向に進もうとしているのかもわからない。

断片的に主人公はあんまりよくない立場におかれてるみたいだ、というのは伝わるんですが、だからどうしようとか、こうしなければ、みたいな能動性は皆無。

わかったのは散髪をしたい、ってことだけ。

意味深なフレーズのリフレインや、狂気的と思われるシーンもいくつかあったりはするんです。

でもそれがどういうことなのか、考えようとする気力がさっぱりわいてこない、というか。

大半がリムジンの車中での密室劇なだけに、どこか演劇的だと感じる部分は多かったですね。

原作を読んでいないので断言は出来ないのですが、なんか「ゴドーを待ちながら」みたいだな、と思ったりもしました。

エンディングも意味不明。

なぜあそこでぶった切ってエンドロールが流れ出すのかもさっぱり理解できず。

心象風景を描いたのかな、と解釈するのが楽そうですが、それ以上は私には解き明かせません。

識者の意見を聞いてみたいところですね。

ひとついえるのは、私の手にはおえないし、2度と見ないだろう、ってことだけ。

ただ、こう言う観客を突き放す映画を撮れる環境にある監督自身がすごいな、とは思いますけどね。






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