1971年初出 小池一夫/神田たけ志
少年画報社 1~3巻(全18巻)



小池時代劇の中でも人気タイトルだと思うんですが、個人的には一番荒唐無稽かも、と思った一作。
 
北町奉行同心で十手持ちである半蔵の、過激で横紙破りな活躍を描いた作品なんですが、どう贔屓目に見積もってもこんな同心は存在し得ないだろう、ってのがまずあってですね。
 
まあ遠山の金さんとか水戸黄門とか居る事ですし、なんら目くじらを立てるほどのことはないのかも知れませんが、「ありえなさ」をリアリズムで染め上げる才覚こそが作者の凄さなはずなのに、何故こんなベタベタなある種のアンチヒーローものを?と私は疑問に思うわけです。
 
仕事にすべてをかけた男のプロフェッショナリズムはハードボイルドに息づいており、そういう意味では読み応えは充分なんですが、何のためにそこまで?というのがちょっとわかりにくいのも難点。

背景が見えてこないんです。
 
主人公は江戸庶民のため、と大言をはいてるんですが、政治家じゃないんだから素直にああそうですか、とは納得しにくい。
 
むしろ職務を遂行するためにはゆすりや強迫、強姦も辞さず、というあまりにもな身勝手さばかりがやたら目につく。
 
極端なことを書くなら、主人公半蔵はある種の人格障害であり偏執狂なのでは、と思えてきたりもする。
 
ちょっと過激さが先行しすぎちゃったようにも感じます。
 
さいとうたかをに酷似した神田たけ志の絵柄も魅力を軽減。

うーん、あんまり好きになれない一作ですね。

3巻まで読んで中断。



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