1982年初版 望月三起也
少年画報社ヒットコミックス 全3巻



作者にしては珍しいSF風味の学園もの。

京都を舞台に、不良グループの抗争に巻き込まれてしまった主人公のドタバタを幾分コメディ調に描いた作品なんですが、特徴的なのは主人公が軽い念動力を使える超能力者であること。

ほかにも人語を解する猫が登場してきたり、ムー大陸が云々と伝奇ミステリ風であったりと、望月ファンであるほど意外性を感じる内容になってます。

多分方向性としては非力な主人公がどう機転を利かせてささやかな超能力で修羅場を切り抜けていくのか、を主筋にしたかったのだろうと思うのですが、なぜか中盤から物語はパラレルワールドに迷い込んでしまう展開に。

それがだめだ、と言うわけではないんですが、一番問題なのは前半の展開と後半が全くつながらないこと、なんですね。

伏線や一部キャラが後半では全く生かされないんです。

別のシナリオを強引にくっつけたような印象。

連載当時の反響などを鑑みたテコ入れ的方向転換だったのかもしれませんが、やはりこれはしくじってるといわざるを得ないでしょうね。

ちょっと不思議な学園もの、でよかったと思うんですが、望月三起也の作風にその手の札はなかったのかもしれません。

80年代的軽佻浮薄なノリを試みてみたがそれが本来の持ち味と両立しなかった、という解釈も成り立つかも。

意欲作ですが、熱心なファン向けでしょうね。



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