1961年初出 永島慎二
ジャイブ 全3巻



当時、若者のバイブル、カリスマと言われ、圧倒的支持を得た伝説的作品。
 
日本で初めての私小説風の漫画と言われていますが、共通して各話とも漫画家が主人公だ、というだけで、ストーリーに連続性はありません。

連作短編風。
 
若い頃にこういう本を読んだら熱中してしまう気持ちはよく分かります。
 
描かれているのは、描きたい漫画が描けない新人漫画家の苦悩であり、挫折であり、青春の蹉跌であり、社会との軋轢。
 
ましてや61年、他にこういう作品もなかったことでしょうし、その衝撃は想像できます。
 
ただ、やはり時の流れは残酷で。
 
50年以上昔の若者像と現在のそれを重ね合わせるのはどうしたって無理がある。

古いんですね、なにもかもが。

これが本当に永島慎二自身を主人公としてエッセイ風に綴っていたのならまた別の読み方もできたのでしょうが、中途半端に創作が入り混じってるので、その時代の空気に実際触れていない人間にとってはやっぱり遠い昔の出来事、なんですね。

シンパシーを抱きにくい。

すべて、そういうものだったのか、で納得するしかないんです。

漫画家に焦点を当てる、という手前味噌な題材もあだをなしている気がします。
 
当時、この作品に触れて心が震えた読者向け、でしょうね。

漫画史にその名を残すタイトルですが、ノスタルジーの渦中に今は息づくのみだ、と私は感じました。
 
唯一私がおや、と思ったのは、一見昔風の絵柄に見えて、実は非常に画力は高いような気がした点。

まあその、あまり自信はないんですけど。




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