香港 1997
製作総指揮、監督、脚本 ドニー・イェン



ドニー・イェン初監督作品。

脚本も含めなにもかも自分でやってるみたいなんですが、その意気込みが反映された一作、といっていいでしょうね。

マフィアのボスらしき人物が自分の過去を振り返る形で物語は進んでいくんですが、とりあえず気になるような破綻はありません。

これは一連のドニー出演作を振り返ってみても非常に稀有で喝采すべき事例だと思います。

最近の作品であってすらつっこみどころ満載のきわどい内容が多いアニキにしては、よく出来ている、と褒めてもいいレベル。

まあ、そこで喜んでいちゃあ、いけないんでしょうけど。

「イップマン」や「孫文の義士団」みたいな世界に通用する内容の作品にも出てることですし。

ただね、ちょっと力が入りすぎかな、というのはあるんです。

こんなシーンまで凝らなくていいのに、と思えるようなカメラワークがあったり。

役者が監督をつとめるとありがちな、感性だけに頼った仕事ぶりは若干目につきます。

でもそれを補ってあまりあるのが猛烈なスピードで矢継ぎ早に展開される圧巻のアクションシーン。

いやもう、目が点、でしたね。

もちろん後年の「SPL狼よ静かに死ね」や「導火線」ほどの洗練された完成度はないんですが、キレといい、迫力といい半端じゃない、というか。

特に集団で走りながら拳を交わすシーンなんて、なんて画を撮るんだ、とぶったまげました。

普通の発想じゃない。

アクション監督として名を馳せるドニーの才能の発露を、これでもかと見せつけられた気分。

ファンは必見だと思います。

これだけのものを撮っておきながらなぜ次作「新・ドラゴン危機一発」がああなのか、実に不思議。

総合的に手が届いていない部分はもちろんあるんですが、ブレイク前の作品の中ではおさえておくべき一本でしょうね。

HDリマスター化で再発売されたことをただただ感謝。

余談ですが例によって邦題と内容は全然関係ありません。






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