1976年初版 小池一夫/上村一夫
秋田漫画文庫 全3巻



明治時代を舞台に、両親の恨みを晴らすために仇探しの旅を続ける修羅の子、雪の血で血を洗う日々を描いた復讐劇。

かのタランティーノの「キルビル」は本作を模倣している、と小池一夫が訴えたところ版権料が支払われた、という話が有名ですが、まあ、私の実感としてそれほど酷似している、とも思えません。

キルビル自体が色んな物語のオマージュですし。

キルビルからこの作品に興味を持った人も今となっては多いかと思いますが、あんまり意識しない方がいいような気もします。

あれはあれ、これはこれ。

やってることはI・餓男ボーイぐらいから何度となく繰り返されているお得意のパターン。

今回、少し毛色が違うのは、主人公が女であることと、明治時代であること。

作画が昭和の絵師と呼ばれた上村一夫であることも作品に独特の艶っぽさを加味している、といっていいでしょう。

小池作品に慣れ親しんだ身としてはそれほど目新しさを感じたわけでもないんですが、和服の妙齢の女性が単身長ドスを仕込んで荒くれどもに切り込んでいく、という画が問答無用でかっこいい、というのはありますね。

ただ亡き両親のために、その怨念を晴らすため、血しぶきをあびながら「涙はとうに捨てました、心はとうに棄てました」なんて独白されると、どうしたって心揺さぶられるわけです。

雪が小池劇画の登場人物のなかでも出色のキャラであることは間違いないでしょう。

あっけなく終わっちゃったような印象もあるんですが、私の中では女囚さそりと並んで70年代のアンチヒロインではありますね。

不思議な磁力がある作品です。

小池×上村の思わぬ化学反応の賜物、と言えるかも知れません。




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