フランス 2013
監督 ロマン・ポランスキー
原作 デヴィッド・アイブス



ブロードウェイでヒットした二人芝居を映像化。

ポランスキーは戯曲を題材にするのが好きだなあ、なんて思いつつも、最近見かけなかったエマニュエル・セニエが47歳とは思えぬお色気で裸身も辞さず主演をはっててびっくり。

監督の嫁とはいえ、やっぱりちゃんと女優さんなんだなあ、とおかしなところで感心。

ワンダという難しい役柄も巧みに演じていたように思います。

セニエの存在感だけで最後まで見れた、というのはあった。

相変わらずごつい体格な人でしたけど。

そりゃまあ、いいか。

オーディションに遅れた女優が、たまたま残っていた脚色家を巻き込んで強引に舞台を演じる一部始終を描いた作品なんですが、切れ目なく現実と創作が錯綜する進行はなかなかおもしろい、と思いました。

あれ、今、現実の話してるの?それとも劇中劇のセリフ?と、ひどく惑わされる。

それこそが狙いなのでしょうけど、どこまでがリアルなのかを煙に巻く構成は密室劇というシンプルさを補う上で充分に効果的だった 、と思います。

とりあえず退屈はしません。

ただ、マゾッホの小説を題材としたテーマ自体がですね、セリエの配役もあって、どうしたって「赤い航路」とだぶる。

赤い航路で描ききれなかったことをもう一度やろうとしてるのかな、なんて邪推したりもしたんですが、どうやらそうでもないようですし。

ファンゆえなのかもしれませんが、どこか既視感がつきまとうんですよね。

そこを大胆に振り払ってくれさえすれば、小品だがよくできた作品、と書くこともやぶさかではなかったんですが、さて、どうなんだろうと。

やっぱりエンディングなんです、ひっかかるのは。

はっきりいってよくわかりません。

多分、象徴としてのヴィーナスが鍵なんだろう、ということはおぼろげに想像できるんですが、ここまでひっぱっておいてそういう感じでつきはなすわけ?と不親切さに疑問符が飛んだりもするわけです。

なんとも評価しにくい作品ですね。

登場人物が二人しかいないとは思えぬ臨場感はあるんですが、だからなんだったんだよ結局、という意見もきっとあることでしょう。

原作の戯曲に忠実にやったのかな、という気がしなくもないんですが、それが大きく見る人を選んでるようにも思います。

まあポランスキーももう80歳超えてますんで、自分の好きなように撮りたいものを撮ればそれでいいのかもしれません。

英気が失せてないのをよしとするべきでしょうか。






movie