1961年初出 白土三平
小学館文庫 全10巻



なんせ60年代の少年向け忍者活劇ですんで、さすがに古びて感じる部分はあるわけです。

それでもアニメで慣れ親しんだ少年忍者サスケの勇姿に、心躍るものがない、といえば嘘になる。

絵柄は劇画タッチな後年とは全く違うんですが、あまりにみずみずしい描画に少し驚かされた、と言うのはありましたね。
 
なんとなく手塚先生っぽさも感じる作画ではあるんですが、なんとまあ愛くるしい表情をするのか、サスケは、と感嘆。

やたら躍動感があるんですね。

これは今の漫画にはないものであるように感じました。

ストーリー的には少年忍者であるという特異性が時代背景を無視して勧善懲悪なスタンスで描かれているので、白土三平らしくないっちゃあらしくないんですが、それゆえ娯楽性に長けた内容です。

そりゃ子供の頃にこんなの読んだら夢中になる、と納得。

ショックだったのはエンディング。

まさかサスケがこういう終わり方をしていたとは、と仰天。
 
後半に至るまでの展開はなんだったのかと思えるような現実的でやるせないラスト。

最後の最後で白土イズムが爆発したか、と言う気がしなくもありません。

突然の急転直下ぶりにまだこの先を描くつもりだったのでは、などと邪推したりもしたんですが、ひょっとすると自分が本当に描きたいものとのズレが生じてきた、ってことだったのかもしれないなあ、と考えたりも。
 
ある意味問題作だと思います。

軽くトラウマか。
 
気持ちよく終わらせた方がサスケという漫画らしかったようにも思うんですが、なんせ白土三平ですし、そこは評価に難しいところ。

成長していくサスケを描き出した時点でこのエンディングは必然だったのかも知れません。

アニメしか知らない人にとっては興味深く読めるシリーズだと思います。



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