1986年初出 ますむらひろし
スコラ 全5巻



作者のライフワークであるアタゴオルシリーズにおいて、この作品がどういう位置付けなのかよくわからないんですが、これはちょっとあなどれない、と驚かされたのが実は本作。

一般には「アタゴオル玉手箱」の評価が高いですが、私は未読。

もうスピンオフやらあれこれたくさんあるのでとてもじゃないけれど全部追いきれません。

すまぬ。
 
内容的には初期のアタゴオル物語と大きく変わらずおなじみ巨大猫ヒデヨシ大活躍なんですが、架空の楽園で繰り広げられる、人と、擬人化された猫と、よくわかんない人外のクリーチャーのドタバタな饗宴は本作に至ってひとつの頂点を形成したように思えます。
 
あふれんばかりのイマジネーションと、隠し味程度にスパイスの効いたSF風味、世界観に逃げずにきちんとオチのある物語作りなど、ああこりゃもう非の打ち所なく完璧だ、と当時は思った。

ファンタジーってのはこうでなくちゃなあ、と。

剣と魔法の中世的世界観でラスボスがレベル1万とか、そんなのばかりがファンタジーじゃないんです。

世界の成り立ちにかかわるミステリアスな謎が物語の中核にあるのもいい。 

この手のジャンルの最良の1冊だと思います。

私はおそろしく想像力を刺激されました。



comic