1978年初出 大島弓子
白泉社 全7巻



動物を擬人化した漫画は昔からたくさんあるわけですが、間違いなく本作はその最高峰に位置する、と断言する次第。
 
なんて事はない子猫と飼い主の日常を描いた明確なオチもない漫画なんですが、これがもうわけもわからず胸がいっぱいになるんです。
 
最近ちらりと読んだときは意味もなく涙が出た。

こりゃいかんと、思わず周囲を確認したり。
 
なぜこんなにも心に訴えかけるものがあるのかさっぱり説明できないのですが、それこそが魅力なのかも、と思ったり。
 
ファンタジーというジャンルの奥底にある穏やかで暖かな何かを、ページをめくった瞬間から満喫できる希有な作品。

おっさんがうかつに手を触れていいような漫画じゃありません。

薄汚れた自分と向き合わざるを得なくなります。 

あまりにも可憐で、繊細で、夢見るようにたおやかで、漫画と言う表現形式でしか描けぬ10年にひとつの名作といっていいでしょう。




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