アメリカ 2014
監督、脚本 アナ・リリー・アミールポアー



イランの架空の街バッド・シティを舞台に、全編ペルシャ語で撮影された吸血鬼もの怪異譚。

各地の映画祭で話題をかっさらった作品らしいですが、それほどの出来だろうか?というのが正直なところ。

やっぱりですね、吸血鬼ものといえば古今東西あらゆる名作がこれでもかとばかり歴史をひも解くまでもなくひしめき合っているわけで、 その中でなにか新しいものを見せられたのか、というと、そこは「特になかった」と言わざるを得ない。

最大の難点はヒロインが別に吸血鬼でなくてもよかったこと。

人外の宿命を背負ったものなら何でも良かった、と思いますし、極端な話、はからずも罪を犯してしまった不遇な女、でも物語は成立する。

チョイスが安直なんです。

そういう意味ではこの邦題、かなり足を引っ張ってる、と思いますね。

なんで原題を素直に訳せなかったのか。

「夜、歩く女」でもなんでもよかった、と思うんですよ。

それだけでかなり印象が変わってくる。

ただ、だからといって作品そのもののグレードが上がってくるかというと、そうでもない、と思えるのが厳しいところ。

確かにラストシーンは意外な顛末でした。

けれど、恩讐を越えた恋のようなものを落とし所にしたかったのなら、なんのためのイランで白黒なのか、というのがよくわからなくなってくる。

ファンタジーにしたかったのか、地域の特殊性を生かしたリアリズムを重視したかったのか、はっきりしないんですよね。

シナリオ構成も散漫。

必要あるのか、このシーン、というのが作家性とばかりに点在。

私は最後まで集中できませんでした。

アメリカ資本の作品らしかぬ雰囲気があるのは認めますが、変にホラーに抵触するようなプロットはやめておいたほうがよかったのでは、と思う次第。

うーん、私には良さがよくわかりませんでしたね。





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