1980年初版 山岸 凉子
朝日ソノラマサンコミックス



<収録短編>
ハーピー
雨の訪問者
ウンディーネ
ストロベリーナイトナイト


表題作だけあってとてもよくできた短編なのが「ハーピー」。
 
妄想なのか、現実なのか、読者を煙に巻く手法はお見事。

現実に潜む狂気の描き方が秀逸。
 
「雨の訪問者」は藤子先生が描きそうな大人のファンタジー。

すこし、ふしぎで読後感もさわやか。

「ウンディーネ」は神話を下敷きに見えざるものの存在を描くという作者お得意のパターン。

悪くはないです。

「ストロベリーナイトナイト」は黄泉比良坂や夜叉御前と同じ系統の作品で物語の顛末を主人公の視点で描いた傑作。
 
先の読めない展開やちらつく狂気がぐいぐい読み手を引き込むし、マンガでしか表現できぬ演出が素晴らしいです。
 
開放感と絶望が同居するオチも鮮やか。

SFが好きな人はこの短編だけでも読んでおくべきか、と思う。

総じて充実の一冊。



comic