1980~81年初版 山岸 凉子
朝日ソノラマサンコミックス



<収録短編>
鬼来迎
籠の中の鳥
恐怖の甘い物一家
ダフネー
メデュウサ


作者らしいといえばらしいんですが、あまりにむごくて後味の悪い大傑作が「鬼来迎」。

人の心の闇とはなんと深くて救われぬものかと戦慄することしきり。

オカルトに傾倒した探偵小説風の風情もあって、まさにこりゃ必読。

最近はそうでもないのかもしれませんが、一時期乱造されたいわゆる安易なサイキックものは本作でも読んでちっとは勉強しろ、と言いたくなるのが「籠の中の鳥」。

プロットといい、設定といい、きちんと救いのあるオチといい完璧。

伝奇SF的なんですが、これは山岸凉子にしか描けぬ名品だと思います。
 
「恐怖の甘い物一家」はエッセイマンガ。

肩の力を抜いてどうぞ。

「ダフネー」は母親の盲愛と贖罪がテーマの猟奇ミステリ。

これまた良くできた短編。

「メデュウサ」は黄泉比良坂や夜叉御前と同じ系統の作品で、これもまたぞわぞわと産毛がたつ感じでじっくり読ませてくれます。

駄作なしでオススメの一冊ですね。

この頃が一番のりにのっていた時期ではないでしょうか。



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