アメリカ 1990
監督、原作 サム・ライミ



もう昔過ぎてさっぱり覚えてなかったんですが、主人公をリーアム・ニーソンが演じていて仰天しました。

今や「ハリウッド最強の父親」としてトップスターである彼も、若い頃はこんな役をやってたんだなあ、と感慨深かったり。

60代を前にしてのアクションスターへの転身は、実はこの作品が思い起こされたからだ、とか。

いや、知りませんが。

「キャプテン・スーパーマーケット」でその兆候はすでにありましたが、本作、サム・ライミがゼロから創造したアメコミ風のヒーローアクション。

私が感心したのはダークヒーローを成立させる上で、きちんと抑えるべき点を踏まえて演出していること。

色々ルーズだと思える部分はもちろんあるんですが、人工皮膚の研究をする博士が大火傷を負ってダークヒーローに生まれ変わる、というプロットは、ああ、監督はアメコミ大好きなんだなあ、と思わずにんまりさせられるものでした。

太陽の下では一定の時間しか人工皮膚はその形状を保つことの出来ない、としたのもうまかった。

古来からヒーローにはウィークポイントが必須なわけです、うむ。

特に私の琴線に触れたのはダークマンが孤独な異形である、とした設定ですね。

決してかっこいいわけじゃないんです。

むしろ正体を知れば忌み嫌われそうな風貌。

痛みを感じる神経を外科処置されているために感情のコントロールがうまくできない、という難点もある。

それでもかつての恋人のために単身敵に挑む、というシナリオはどこか心動かされるものがありました。

少し残念だったのは異形の超人としてどう生きていくべきか、掘り下げる余裕もなく終わってしまったこと。

もっともっと色んな方向に話を広げられたであろうに、個人的な復讐が全てになってしまったのはいささか練り込み不足だったかもしれません。

あらためて見るとなにかとアラも目立つ作品ではありますが、キャラクターの出来のよさを私は評価したいですね。

是非サム・ライミ本人の手によるリブートを期待したいところ。

きちんと細部をつめなおして若干の修正を加えてやれば傑作になると思うんです。

まあその、なんだ、多少出来が悪くてもかわいい、と思える映画ってあるものです。

好きなものは仕方がない、ということでひとつ。






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