1988年初版 山岸 凉子
角川書店あすかコミックス



<収録短編>
グリーンフーズ
キメイラ
月の絹
パエトーン


「グリーンフーズ」は落ちぶれた子役が容姿の冴えぬ妹の美声を利用して兄弟デュオとして再起をはかろうとする物語。
 
各人のエゴやら悪意やらが錯綜する作者らしい嫌な一作なんですが、これ、勝手な想像なのだけれど、どうしてもカーペンターズの悲劇を思い起こさせたりする
もちろん実話なんて事はないのだろうし、着想のヒントになった程度なのでしょうが、実に興味深い。

「キメイラ」はサイコキラーもの。

良くできてます。

オチといいプロットといいガジェットといい完璧だと思う。
 
昨今のリメイクだらけのアメリカンホラーも過去の焼き直しに頼ってないでこれぐらいはやっていただきたい、などと思いすらした。
 
「月の絹」は山岸凉子のおしゃれや料理、男とのつきあい方などを作中のキャラに代弁、対話させたエッセイみたいなもの。
 
ファッション系の女性誌にこそっと掲載されてそうな内容。
 
「パエトーン」は原発に関する考察、意見をマンガの形式を借りて述べたもの。

この頃から声をあげていた人はたくさん居たのに、結局痛い目を見ないことにはわからなかった政府や電力会社にあらためて憤りを感じたりしました。

バラエティに富んだ一冊。



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