2000年初出 山岸 凉子
潮出版社希望コミックス



未来を予見する能力を持つ白眼子と呼ばれる盲目の男の物語。
 
舞台は戦後の北海道でストーリーは白眼子に拾われた少女の目線で進行していくんですが、当時の世相や風俗、文化の描写が恐ろしくリアルで舌を巻く。
 
北海道の地域史なんてまるで何も知らないんですが、その現実味の濃さは、ひょっとして白眼子と言う人物は実在したのでないか、と思えるほど。
 
単行本には何も書かれていないので、事実なのかどうなのか定かではないんですが、作品の元となる人物がいて、そこから想像を膨らませたように私には思えました。
 
過去の傑作「籠の中の鳥」と題材は重複するんですが、それが気にならないほどの緻密さ、発展性があるのは確かでしょうね。
 
作者のオカルトなサイキックものの長編としては集大成的内容といっていいのではないでしょうか。
 
いわゆる霊能と呼ばれる力に著者なりの解釈が提示されていて興味深いです。

戦後動乱期から30年の時間を描いた異形の大作。

いや、これはおもしろかった。

 



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