1969年初出 平田弘史
青林工藝舎



「大地獄城」は61年に発表された「つんではくずし」のリメイク。
 
「つんではくずし」はその残虐描写から当時悪書追放のやり玉にあがったらしいんですが、未読。

ラピュータという聞いたこともない出版社から「つんではくずし」は発売になっていたようなんですが、私の調べた限りでは現在は入手不可。
 
故に、オリジナルとの比較は出来ないのですが、本作、よくまあこれが少年キングに連載できたな、と言いたくなるほど陰惨で、激烈な内容で、いったいなにをどうリメイクしたらこうなってしまうのかと、私は震え上がりましたね。

これ以上なのか?オリジナルは?と愕然。

いや、知りませんけど。

登場人物のあまりの悪辣かつ醜い振る舞いに当時の少年読者は本作を読んで人間不信、大きなトラウマとなったのではないでしょうか。
 
シナリオ的には後年、小池一夫が書きそうな復讐譚であり、そこに目新しさはないんですが、要はその見せ方、小道具、演出でしょうね。
 
これでもかとばかり徹底して冷徹で、もう勘弁してやれよと言いたくなるほどすべてに容赦なし。
 
でも多分それが怨念、妄執にとりつかれた人間の偽らざる本性なのだろうなあ、妙に納得させられるのが、作者の非凡さでしょう。
 
「血だるま力士」は一風変わった相撲取りの生き様を描いた連作。

連作とは言え2作で終わってしまってはいるんですが。
 
これまた読み応え充分。

ファンは間違いなく買いの1冊。



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