アメリカ 1971
監督 ジョン・ハンコック
脚本 ノーマン・ジョナス、ラルフ・ロール



VHSですら発売にならなかった幻の作品のDVD化。

好事家の間で妙に評価の高い一作ですが、結論から言っちゃうと、私はぴんとこなかった、と言うのが正直なところ。

ほぼ自主制作で製作された作品らしいんで、古さも相まってあれこれ拙い、というのはどうしたってあるんです。

まあそこは看過できなくはない。

技術が全て、と言うわけでもないと思いますし。

それをさしおいても惹きつけられる何か、があればいいわけで。

問題は心理ホラーの体裁を取り繕っているのにもかかわらず、まるで怖くなかったことにあるんですね。

乾いた演出、と言えば聞こえはいいんですが、私はこれ、やはり想像の余地がまるでない事が致命傷に思えました。

なにもかも全部見せちゃってるんです。

見せなくていいものまで。

シナリオ展開から察するに、これは現実なのかそれともジェシカの幻覚なのか、みたいな部分で観客を煙に巻きたかったのだと思うんですが、白日の下に全部さらしちゃってるんで虚実に困惑する瞬間がまるでない。

ホーンテッドハウスものに見せかけて、ヴァンパイアもどきな展開に色気を見せたのも失敗だったと思う。

どこか杜撰なんですよね、物語の骨子が。

不思議に寂寥感あふるる画を撮るなあ、と思える場面もあったんで、凡庸だと言い切るには躊躇する点もあるんですが、あえてこれは見逃せない、と言えるほどのものは私には見つけられませんでした。

その手のマニア向け、ですかね。

過去の記憶の中に生きる作品だと思います。






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