2005年初出 小池一夫/伊賀和洋
小池書院 1~2巻



1800年代後半のアメリカを舞台に、奇妙な形の十手を持った謎の日本人の活躍を描いた異国時代劇。

やってることは作者お得意の「傷追い人」「クライングフリーマン」系の超人列伝で、そこになんら新鮮味はありません。

古くからのファンにとっては、またこのパターンか、と手垢な印象を濃く感じるかも。

今回、新機軸だなと思われるのは、主人公が、かつては「カミソリ半蔵」と呼ばれた北町奉行所のキレ者同心であり、それが紆余曲折あって日本を脱し、今は自由に生きることを旨とするさすらいの老人であること。

その半蔵がかつての経験を生かして市警に協力し、難事件を解決していく展開はまあ、悪くはない、と思うんです。

問題は70歳を超えた老人があまりに頭が切れて無敵すぎることでしょうか。

少子高齢化が進む日本の読者層を意識したのかもしれませんが、さすがにこれはやりすぎだと思う。

一気に物語にリアリティがなくなってくるんですよね。

サムライが西部劇の世界に飛び込んだようなおもしろさはさすがの着眼点だと思うんですが、やっぱり70代のキャラには70代なりの役割があると思うんです。

力に頼るのではなく、力をかわす知恵みたいなものを描いて欲しかった、と思うことしきり。

あとは、かつてあれほど心を揺さぶったセリフの説得力や演出力が若干落ちてきた、と感じられるのが寂しいところ。

掲載雑誌「刃」の休刊により、4巻で中断。

らしい作品ですが、やはりファン向けでしょうね。



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