1992年初出 あさりよしとお
白泉社ジェッツコミックス



91年頃の有害コミック規制騒動に反発して描かれたマンガで、少年誌のエロの限界に作者は挑戦するつもりだったらしいんですが、誰にもそうと気づいてもらえなかった、と後述されてる笑える1冊。
 
まあエロく描こうと思えばいくらでもエロくなったと思うんですが、そうしなかったのはやはり作者の美意識でしょうね。
 
ここで安直にエロい描写をいれちゃったら結局は規制する側と同じ土俵で小競り合いになってしまうでしょうし。

あなた達が眉をひそめる「有害」のお題目はこういう自由さも奪ってしまうものなんですよ、と暗に示唆しているあたりが私はクレバーだと思いましたね。
 
とりあえずアイディアが強烈です。
 
進化した寄生虫同士の闘いに巻き込まれた女子高生が、否応なしに肛門から出入りする寄生虫でできた強化スーツをまとって敵と戦わされる羽目になる、というストーリーの変身ヒーローものなんですね。

安物のアダルトビデオでもこんなのないわと思えるほどのナンセンスさで、あたしゃ一週まわって逆に感心しましたね、ほんと。

極北のヒロイックファンタジーでしょうなあ、こりゃ。
 
どうも不人気だったらしく、話が広がる前に終わってしまっているのが残念なんですが、まあ、少年誌の限界を超えてエロい、といえばエロいのかもしれません。
 
寄生虫の作画が生理的に気持ち悪い、ってのがネックかとは思いますが、私はこのばかばかしさ、結構好きです。
 
普通は思いついても形にしないと思うので、形にした勇気は褒めてあげたい、と思う。

ある意味カルトの領域か、とも思うんですが、あさりよしとおだからこそできた稀有な名(迷?)作との評価もやぶさかではありません。



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