アメリカ 2000
監督 サム・ライミ
脚本 ビリー・ボブ・ソーントン、トム・エッパーソン



他人の運命を霊視できる占い師が、町で起きた殺人事件の犯人を追うサスペンス/スリラー。

今、書いてて思ったんですがこの題材って、実にXファイル的だなあ、と。

トワイライトゾーンといった方がいいのかもしれませんが、まあ、昔からアメリカ人はこう言うの好きですよね。

筋立てはどこかスティーブン・キングの著作のようでもあります。

私がうまいな、と思ったのは他人を占うことでその人の生活の奥深く、心の深部にまで入り込むことを余儀なくされ、依頼人にどうしても振り回されがちになってしまう占い師の描き方。

宗教的に敬われることがなければ、それは人生相談につきあうカウンセラーと大差ないのだ、とした危なっかしげな実像は、なるほど現実にこういう商いで身を立てようとすればどうしてもこうなってしまうのだろうなあ、と納得させるリアルさがあったように思います。

また、依頼者を捨て置けない占い師アニーの心優しいキャラを肉付ける効果もそこにはあった。

これがあとあと生きてくるんですよね。

サイキックなギミックに頼りすぎることなく、きちんとサスペンスとして成立しているのもいい。

まさかお前が、という驚きのオチはきちんと用意されてます。

特に私が感心したのがアニーの常連客であるバディの存在。

別にバディのエピソードは必要ないのでは、と最初は思ってたんですが、最後の最後で重要な意味があったことを思い知らされて思わず膝を打った。

またそれが、偏見や罵倒にさらされてきたアニーのささやかな救いにもなってるんですね。

ちょっとぐっとくるシーンが2重オチで待ち構えているのには軽く驚かされましたね。

なんだこれ、やたらシナリオよくできてるな、と思ったらビリー・ボブ・ソーントンが参加してて、なるほど、と納得。

いい意味でサム・ライミらしくない緻密な作品だと思います。

死霊のはらわたシリーズ以降、職業監督的であった彼の、ひとつの頂点といえる一作ではないでしょうか。

余談ですがキアヌ・リーブスの悪役ぶりは別に彼でなくてもよかった、といえる凡庸なものでしたんで彼のファンは出演作だということで食いつかないように。

あと、オープニング早々、パンツ丸出しで派手にすっころぶケイト・ブランシェットが拝めますが、サム・ライミはまだどこかで笑わせたい、と思ってるのか、と私はあきれた。

これだけ大物になっても遊びたいんだなあ、とちょっと親近感がわいてきたりもしましたね。





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