アメリカ/スペイン/フランス 2001
監督、脚本 アレハンドロ・アメナーバル



ここにきてそのテクニックが頂点に達したようにも感じられるアメナーバル監督の傑作。

もう、語り口のうまさときたら半端じゃないです。

開始数分で画面に釘付け。

あきらかになにかが起こっているのだけど、それがなんなのかわからない怖さ、予断を許さぬストーリー展開は従来のスリラー、サスペンスをはるか後方に引き離して新しい時代のゴシックを鮮やかに演出していたように思います。

なんと言いますか、多くの観客を予測の範疇へと落とし込む罠の仕掛け方がもう名人レベルなんですね。

思い込みを誘発するギミックの数々があまりに手馴れていて、いったいどこでこんな手口を学んだんだ、とあっけにとられる、というか。

かといって決して不親切だったり、唐突だったりするわけじゃないんです。

そこかしこにヒントはばらまかれてる。

でもそのヒントがまさかこういう意味だったなんて、とおそらく誰も結末を想像しえなかったんじゃないんでしょうか。

驚愕のエンディングへと道筋をつけるシナリオ構成のすばらしさ、筆舌に尽くしがたいです。

ニコール・キッドマンのどこか癇症でヒステリックな演技も見事の一言。

彼女の存在が作品のレベルを底上げしていたことは間違いありません。

描かれているのは、視点を変えることによって現出する転換の怪異譚。

クライマックス、円卓を囲む老婆に少女が耳打ちするシーンなんて、私全身鳥肌でした。

ちなみに本作、公開当時は某映画の二番煎じなどと揶揄されたりもしましたが、私に言わせるなら世界丸ごとの色彩を変えてみせた、と言う意味で、似て非なるものである、と考えます。

詳しく書くとネタバレになっちゃうんでやめますが。

どんでん返しを好む人にはオススメの名作。

光と影の陰影にこだわった恐怖演出も大いに見どころ。

私にとっては0年代、3本の指に数えられる1本。






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