スウェーデン/ノルウェー/フランス/ドイツ 2014
監督、脚本 ロイ・アンダーソン



リビング・トリロジーと呼ばれるアンダーソン監督の三部作、最終編。

やってることは「散歩する惑星」の頃から全く変わってません。

第一作から通算して14年が経過しているというのにここまで変化がない、というのは逆にもう凄いとしかいいようがないのかも。

なんなんだこのブレなさは、と。

ちょっぴりシュールでひたすらオフビートなコメディを撮るのになぜ三部作で、ここまで時間がかかるのか、その執着と情熱に想いを寄せるなら、これはもう偉人の所業なのかもな、と思ったりもしますね。

ベネチア国際映画祭で本作が金獅子賞を受賞したのもそのあたりが評価されたのか、という気がしなくもありません。

で、肝心の内容ですが、相変わらずミニコント集風なので、最終作といわれたところでそうなのか?ってな感じで格別なにかが終わったような印象もなし。

個人的には1作目や2作目で散見された、画面に所狭しと配置された群集の担う意味不明のシンクロニズムみたいなものが今作ではほとんど見られなかったことがちょっと残念。

その代わりにバレエのシーンや、死にぞこないの婆さんが決して手離さないカバンのシーン等、笑いの発作が収まらなかった場面がいくつかあったので差し引きゼロといったところでしょうか。

ただ、妙に見る側を集中させる画作りといった意味では2作目「愛おしき隣人」に軍配が挙がるかもしれませんね。

相変わらず、これはコメディなのか?それとも別のなにかなのか?と首をかしげるくだりもいくつかあるんで、万人にオススメできるとは言い難いんですが、誰もこんなことやってないのは確かですし、そこを考えるのもまた楽しみ、ととらえることができないわけじゃないように思えるのがあまたの前衛とは違うところ。

突き放してるように感じられないのが強み、といえるかもしれません。

とりあえず、はまるとクセになりそうな独特のセンスを最後まで堅持したことに、 私は感服。

こういう作品に恐ろしい時間をかけた監督も居るのだ、と知ること自体が望外、映画ファンの歓びなんじゃないか、と思ったりもします。

触れてみる価値は充分あります。





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