アメリカ/チリ 2013
監督 イーライ・ロス
脚本 イーライ・ロス、ギジェルモ・アリエド、ニコラス・ロペス



マニアの間では伝説化しているカニバリズム映画「食人族」をモチーフに制作された、スプラッターホラー。

ストーリーは単純です。

破壊され続けるアマゾンの密林を守れ、とばかりに現地ペルーへと抗議活動に向かった学生の集団が飛行機の事故で遭難、たどり着いた村は食人習慣のある部族が住んでいて1人、また1人と順番に食われてしまう、というもの。

まず私が指摘したいのは意外性のなさ。

作品を見る前からこの映画が食人部族の映画であることはわかってるわけです。

制作側は、特に情報統制もしなければ、徹底したネタバレ防止のための秘密主義を貫いていたわけでもないですし。

なのに、ただ食われる恐怖をゴアに描写することだけに終始されてもですね、だからどうした、としか言いようがない。

その先を描かなくてどうする、と。

欠落しているのは食人部族の生活、文化、宗教に対する考察。

単に人を食う悪役、という意味づけしかないんですね、この映画に登場する彼らって。

何を考え、どういう生活習慣の元に食人に至っているのか、まるで何も見えてこない。

やはりね、食人部族の内面をちゃんと描いてこそ、命からがらの脱出劇にも知恵と機知の攻防によるスリルが産まれたのでは、と思うんですが、そこがおざなりなんで全部が行き当たりばったりにしか見えない、しいては、さっぱり盛り上がらない。

これ、少数部族に対する悪意ある偏見を助長する、と指摘されても否定できないと思います、はっきりいって。

そもそも食人習慣のある部族って、現在では公式上、確認されていないわけですから、そこをあえて「実は存在した!」ってやらかすんならね、それなりの根拠ともっともらしさを観客に提示しなきゃならないわけです。

でも、それすらない。

唯一興味深かったのは、ラストシーンでヒロインが何故あのような発言をしたか、ですが、もう本当にそこだけでしたね、私にとっては。

若干傾向は違いますが、ちったあ「ウィッカーマン」を見習え、と。

未知なる文化に対する絶対にわかりあえない恐怖があってこその忌まわしさ、だと私は考えます。

なんか別にこれ熊とかクリーチャーに貪り食われてるのを見てるのとたいして変わらん、と思えた時点でアウト。

余談ですがモチーフになった「食人族」もひでえ映画です。

手持ちカメラのブレが気持ち悪い上に、単にグロなだけ。

うーん、どうした、イーライ・ロス?





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