フランス 2005
監督、脚本 ミシェル・ゴンドリー



偶然向かいの部屋に越してきた女性に恋してしまった夢見がちな青年の現実と妄想を描いたラブロマンス。

バッサリ切って捨ててしまうなら、やはりこれって「エターナル・サンシャイン」の成功をうけて、柳の下のドジョウを狙ってみました、だと思うんですね。

シュールな夢世界をキッチュに映像化したシーンと現実が交錯する内容は、検証するまでもなく同じ轍を踏んだもの、と言えるでしょうし。

ただ本作の場合、エターナルサンシャインのように「記憶を消す工程」といった前提を設けていない分、どこからどこまでが現実でどれが妄想で夢なのか、一見判断がつきにくい。

ともすれば、全部非現実な思い込み、で納得しようと思えば納得できなくもないわけです。

仮にですね、100歩譲ってあえて妄想と現実の境を取っ払って全てを地続きと考えたとしてもですよ、それら全部をひっくるめて物語を牽引する何かがあったのか、と問われれば、びっくりするぐらい何もなかったのでは、と私は思ったりするんですね。

ありていに言ってしまうなら、最後まで主人公の独り遊び。

シナリオ不在。

何も起こらないし、どこにも着地しない。

まあ、それはそれである意味斬新だったかもしれません。

ただ、それをやるには105分は長すぎた、とも思う。

実に意欲的なのは映像の凝り具合からも伝わってくるんですが、やっぱりゴンドリー、脚本書くのには向いてない、というのが実状じゃないでしょうか。

唯一おやっ、っと思ったのは不思議な余韻をひくラストシーン。

もう完全に変なヤツで今ならストーカー扱いされそうな主人公ステファンなんですが、ひょっとすると一部女子の母性本能をくすぐったりしちゃうかも、とは思った。

これは主演のガエル・ガルシア・ベルナルの魅力が大きいでしょうね。

何も起こらないのがフランス映画なのだとしたら、実にフランス映画らしい1本、と言えなくはないかもしれません。

私は途中でちょっと退屈してしまいましたが。





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