1987年初出 石ノ森章太郎
小学館サンデーコミックス 全6巻



企画ものだったのか、漫画が先行しているのかはわからないんですが、テレビドラマシリーズとはまるで趣を異にする独特な内容であるのは確か。

単純にヒーローもの、と言うよりは、異形へと改造された青年のやむにやまれぬ戦いを描いている、と言った感じ。

若干のホラーテイストもあり。

なんかライダーの作画が妙に生々しいんですよね。

どこか、あえてバッタの化け物のように見えるようにデザインされているというか。

それこそが作者の意図するところだったんでしょうけど。

とりあえず、記憶を失った青年が、自らのメタモルフォーゼに戸惑いながらも、クリーチャーとの闘いを経て、自分を少しづつ取り戻していく浅い巻の展開はなかなか読み応えがあったように思います。

中盤を過ぎるまで、一言も「仮面ライダー」という語句が登場してこないのもリアリティを構築する上で配慮されてるなあ、と思った。

よろしくないのは終盤。

仮面ライダーBlackは、世界の王となるため改造されたのだ、という前フリを忠実に追う形で伝奇SF風の路線をひた走りだすんですが、これがどうにも突拍子もない感じで、その背景を支える書き割りに真実味がない。

いきなりタイムスリップとかされてもついていけないわけです。

敵、ゴルゴムの中枢をになうであろう計画者の顔がさっぱり見えてこないのもいただけない。

エンディングに至ってはもうグダグダ。

なぜそうなるのかよくわからないまま多くのハテナマークを抱えつつ最終決戦なものだから、伝わってくるものがなにもない。

先生、描ききれずに投げてませんか、と。

前半のテンションが後半で急降下した残念な例、でしょうね。

どこか怖く、哀しいライダーを期待していたんですが、どこにも着地できなかった失敗作だと思います。

残念の一言。



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