1956年初出 横山光輝
秋田書店ACセレクト 1~2巻(全6巻)



後のロボットものに大きな影響をあたえたといわれている作品ですが、さすがに今あらためて読むと何もかもが古すぎて眩暈がしてきます。

作者は鉄腕アトムを巨大化したものをやろう、と当初考えたらしいですが、自我を持つロボットの苦悩にまで言及したアトムと比較するなら、やっぱりこっちはただの人型巨大兵器によるシンプルな大活劇でしかないな、と思った次第。

ベースにあるのは江戸川乱歩の少年探偵もの、でしょうね。

少年探偵がもしリモコンでロボをあやつれたら、という発想が当時は新鮮だった、ということなんでしょう。

とはいえ、なにかミステリだったりスリラーだったりするわけでは全くないんですけど。

とにかく主人公の少年である正太郎君がもう、あまりに大人顔負けすぎて。

拳銃の名手だわ、大人を投げ飛ばすわ、車は運転するわ、警察署長とはほとんどバディと言えるほどのパートナーだったりするわで、つっこみどころ満載すぎてどこから手をつけてよいやら見当もつかぬほど。

なぜ子供が国家間のスパイ戦争にまで鉄人ひっさげてしゃしゃりでてくるんだ、と少しでも疑問に思ったらその時点でアウト。

はっきり言って、大人の鑑賞に耐えうる内容ではありません。

太平洋戦争末期に起死回生の秘密兵器として開発されたロボが鉄人、と言う設定には惹かれるものがあるんですが、本当にもうそこだけでしたね。

少年時代の熱狂を体験した人のための作品。

2016年にもなって、後追いで楽しめるものは限りなく少ない、と言わざるをえないでしょう。

余談ですが、秋田書店版は最初期の数話は収録されてないのでご注意を。



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