2010年初出 松本零士
扶桑社 1巻



銀河鉄道999のエターナル編もいまだ中断したままだというのに、また新連載に手を出してたのかこの人は、と呆れるやら、びっくりするやら。

しかも幻想新幹線って・・・・。

もう宇宙軌道をいく列車の話しか描けないのか、松本零士は、と食傷でもって手にとった一冊ではあるんですが、それでもこうして読む奴が居るんだから出版社側の狙いはとりあえずはずれてない、と言うべきなのか。

で、早い話がおなじみのパターンです。

なんかしらんが荒廃した地球。

これはエターナル編にもキャプテンハーロックにも共通する設定。

貧乏な若者が無一文で列車に乗る。

それを温かく受け入れる乗務員。

さあ、無限の宇宙へ、冒険の旅の始まりだ。

えーと。

銀河鉄道999と全く同じやんか!

登場するそれぞれのキャラが違うだけ。

悪い癖も改まるどころかますます悪化してます。

とかく思わせぶりな哀しい運命を背負った女が見開きでいきなり登場したかと思えば、 次から次へと新しい登場人物が現れて序盤の伏線は全部無視、挙句には鉄郎にメーテル、ハーロックにエメラルダス、と脈絡もなく駆けつけてきて、オールスター勢ぞろい、ときた。

もはやセルフパロディの領域。

さらに一番驚いたのは、ストーリーがストーリーの体をなしておらず、物語としてまるで成立していない点。

いや、72歳でね、宇宙を舞台としたSFを描こうという気力がまだあるだけでも凄い、とは思うんですけどね、悲しいかな、作話能力に著しく劣化の痕跡が見受けられるんですよね。

ウェブで連載されていた作品ですが、どうやら現在は終了しているよう。

打ち切りなのか、途中で放り投げたのかはわかりません。

でももう、仕方がない、と思う。

これは終えようがない、だろうと。

なんか最後まで読んで少し悲しくなりましたね。

稀代の頑固一徹なSF漫画家も年齢には勝てなかったか、と。

多分もう新連載はないんじゃないか、と思います。

松本零士、最後の1冊がこの漫画になるのかもしれません。



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