アメリカ 2000
監督 ジョエル・コーエン
原作 ホメロス



ホメロスの「オデュッセイア」を1930年代アメリカ南部の冒険譚として焼きなおしたコメディ。

まず私が、これは見る人を選ぶ、と強く感じたのは、全編に渡って全く笑えないこと。

おかしなキャラは次々に出てきますし、おかしなことをする場面もたくさんあるんですが、そのどれもがどこか微妙に寸止め気味なんですね。

とりあえずわーっと大騒ぎはするんですけど、肝心のオチがどこにも見当たらないというか。

どこか身内受け、楽屋落ちで部外者を排除する空気があるというか。

なんていうか笑いの構築性にメリハリがない。

もっとベタにやろうと思えばきっと出来たはずなんです。

でもあえてそれをやらない。

かといって凄く高度な笑いに挑戦しているわけでもない。

なんなんだろうこの糞詰まりな感じは、と色々考えたんですが、どうにも答えが見つからない。

唯一思い当たったのが、監督はコメディのつもりで撮ってないのでは、という憶測なんですが、それならそれで今度は現実味、もっともらしさの欠落、デティールの甘さが鼻についてくる。

ファンタジックなアドベンチャーと考えるのが一番面倒臭くなくていいような気もするんですが、それにしちゃああまりにスリルがなくて、はい駄作、で終わってしまいそうでこれまた悩ましい。

寓話として見るならね、それなりに凝った仕掛けはあるんです。

なるほどオデュッセイアをこう換骨奪胎するか、と興味深い点はいくつかある。

クロスロードでロバート・ジョンソンを引っ張り出してくるのにもにやりとさせられますし。

でもそれらが全体として有機的に絡み合わないんですよね。

全部が点。

結局ミュージカル映画として接するのが一番無難なのでは、と思ったりもします。

実のところ、ジョージー・クルーニーは歌を唄ってるシーンが一番輝いてた。

うーん、何をどうしたかったんだ、コーエン兄弟。

日本人とアメリカ人の感覚の違いなのかなあ、などと思いつつも、さすがにこれは広くオススメできない、と今現在も頭をひねっている有様。





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