アメリカ 2011
監督 ミシェル・ゴンドリー
原作 ジョージ・W・トレンドル



ブルース・リーがカトー役で出演し、人気を博した60年代のテレビドラマをリメイクした作品。

えっ、ミシェル・ゴンドリーがこれをやるの?と思った人はきっとたくさんいたことだろうと思われます。

かくいう私もその1人。

まあ、なんだかんだ言っても作家性の強い監督ですから。

作品との相性ってものもあるでしょうし。

ハリウッドのやり方に迎合するのか、それとも慣れない事をして大失態をやらかすのか、興味は尽きなかったわけですが、結果から言うとそのどちらでもなし。

ゴンドリーはこの手のヒロイックアクションにおいてすらゴンドリーだった。

一周まわってなにやら逆に爽快だったりもしましたね、私の場合。

まさかグリーン・ホーネットをアクション・コメディにしてしまうとは、と唖然。

そもそも本作におけるホーネット、街の正義のために立ち上がったヒーローですらないんです。

父親の急死に伴い金と権力を手に入れた2代目がなんとなく思いつきでカトーを誘って、悪者を懲らしめてみないか、 みたいなノリ。

どこの青春映画だよ、って。

悪ふざけの度合いは前作「僕らのミライへ逆回転」とほぼ変わりません。

なんとも馬鹿馬鹿しくトリッキー。

自分の方法論を変えないのにもほどがある。

これ、オリジナルであるテレビシリーズが大好きだった人はきっと猛反発でしょうね。

あの伝説のブルースリーのドラマを滅茶苦茶にしやがって、みたいな。

ただ私のようにゴンドリーのフィルモグラフィーを追いかけてる人間からしてみたら、これはこれでありだよな、と思えてもくる。

やっぱり60年代の設定をそのまま現在によみがえらせるのは無理があると思うんですよ。

じゃあどこをどう改変するのか、と考えた時、選択肢のうちの一つとしてコメディは除外、ってのもあまりに不自由すぎるだろうと。

なにもこの手のリメイクは全部が全部熱血漢だとか影を負う男の熱い戦いである必要が、あるわけでもない。

特に私が特筆したいのはコメディの体裁を装いつつも決してアクションに手を抜かなかったこと。

終盤のビル内を車が暴走するシーンなんて他の類似作と比べても決して見劣りしないど迫力。

ちゃんと求められているものに答えようとする配慮があるんですね。

はっきり言って怪作だと思いますが、監督が彼の得意とする手法で、それなりの譲歩と工夫を凝らしつつヒーローを立脚させたという意味において、私は高く評価したいですね。

唯一残念だったのはカトー役のジェイ・チョウの影がいまいち薄いこと、ぐらいでしょうか。

笑えてスカッとするいい映画だと思います。

ま、これをグリーン・ホーネットと呼ぶのは抵抗があるかもしれませんが。





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