韓国 2000
監督、脚本 キム・ギドク



稀代のストーリーテラー、キム・ギドクも過去にはこんなことやってたのか、といささか拍子抜けした一作。

主人公は公園で似顔絵を描いて生計を立ててる気弱な男。

なんかよくわからないんですが、地回りのヤクザに金をまきあげられたり、絵を依頼する業者にギャラを中間搾取されたりと、とにかくしいたげられっぱなし。

その男がある日突然、客不在の舞台のようなところに迷い込んだかと思えば、なにかに触発されたかのように自分の人生を狂わせた人間達への復讐を開始する。

相次ぐ凶行は止まる所を知らないが、終盤、いつもの公園へ男が戻ってくるのと同時に、すべては白日夢であった、と観客は知らされる。

本当のオチはその後に訪れるんですが、そのオチがですね、これまたそれまでの進行とはまるでつながりがない、と思える突発的なもので。

誰かがなんとかしてくれるものだよ、とでも言いたかったのか?と頭をひねる。

さらに不可解なのはエンドロール。

なぜ、わざわざ舞台裏を撮影してメタフィクション風に見せようとするのか、まるで意味不明。

非常に観念的かつ抽象的内容です。

常に主人公をハンディカメラで撮影する女や、なぜか公衆電話をいつも盗聴している主人公のおかしな性癖等、あえて踏み込むなら暗喩するもの、作品を読み解くヒントとなるものはあちこちに散りばめられているとは思うんですが、なんといいますか、別にどういうことなのか、あえてわかりたいとも思わない、ってのが正直なところでして。

なんだか学生の自主制作映画でも見てるみたいだなあ、と。

特にそのテーマ性が。

どことなく70年代のインディーズ作品のような匂いもありますね。

リアル・フィクションとタイトルすることからも、なにをやりたかったのか、おぼろげながら察することはできなくはないんですが、私にとってこの作品って、若さゆえ患う青春の麻疹(はしか)みたいなものですね、やっぱり。

作った本人が後から見ると自分で恥かしくなるパターン、とでもいいますか。

ギドク本人がどう思ってるかはもちろんわからないんですが。

はなから広く受け入れられようと思ってない点において、熱心な監督ファン向けかと。

実験的作品ですね。





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