アメリカ 2014
監督 ハロルド・クロンク
脚本 ケイリー・ソロモン、チャック・コンツェルマン



神の存在を否定する哲学教授に、真っ向から論戦を挑む「神」肯定派の学生の奮闘を描いた作品、と言うから、こりゃきっとシナリオは膨大な量に及ぶ思弁映画に違いない、気を引き締めてかからねばな、と身構えてたんですが、いざ、蓋をあけてみればなんてことはない、単にキリスト教全肯定の宗教映画で心底落胆。

もうこれ以上何も書くことはなかったりはするんですが、あえて筆を進めるならですね、この作品が決定的に間違ってるのはキリスト教絶対主義的な観点に基づいた神の検証しか行っていないこと、及び、キリスト教に帰依していない人間の存在を哀れであるかのように扱っていることですね。

イスラム教や仏教の立場はどうなるんだ、っていうね。

信仰は自由だと思いますし、何を熱弁しようが勝手ですが、哲学の授業で神を否定するのが常道だからって、映画という媒体を使って大々的に手前味噌な抗弁を繰り広げられてもその他大勢は醒めるだけ、って何故気づかないのか、と。

そもそも本気で一般を説き伏せたいなら、もっと本気で作って来い、と言うのが大前提としてあるわけで。

テレビ映画レベルの品質で、つっこむ隙だらけの内容で、一体誰の胸に響くのか、製作の段階で真剣に考えてないとしか言いようがない。

これじゃあ同類同士の傷の舐め合いで終わるだけ。

まずキリスト教ありき、の立脚点をなんとかしてもらわないことには評価のしようがありません。

何かを啓蒙したいプロパガンダ的映像を映画として楽しめるほど私は大人ではないので。

しかしこれが訴訟沙汰にもなった事実をヒントに作られてる、ってのが私にはもうアメリカ社会の歪みであるとしか感じられないですね。

ああ、見るんじゃなかった。





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